




この住宅は淡路島の洲本での売建住宅の計画である。遠方に美しい山脈を眺め、周辺は水田が広がる田園風景であり、都市では到底望めない自然溢れる地域である。
ところで、日本には昔から京都や高山などの町屋に見られる町並みと調和のとれた美しい風景が生活と共にあり、統一された素材とデザインの中で近隣と自然の気配を同時に感じ取れる場所での住まい方を行ってきた。この住宅ではそのような風景の中での暮らしを提案した。戸建ての住宅では望めない、3戸の住宅が集まり一つの町並みをこの敷地に新たに作り出そうとしている。
この計画で作られる美しく舗装された街路は焼杉板や漆喰などの伝統の素材に囲われて落ち着いた美しい風景を作り出す。住宅の周囲に植えられた緑は住宅内部の生活に取り入れられると同時に街路にも潤いを与え、また街路にはベンチなどのストリートファニチャーが置かれ、街路を庭やアプローチとして利用しやすく生活の一部をそこで過ごしやすくなるように計画している。
住宅の一階のリビングとダイニングは吹抜の2層分の大きな開口部で庭と接しており、庭の緑と自然の光を全面に取り入れることができる。その庭の緑に囲われたテラスは壁面を利用して落ち着いた雰囲気となり、屋外での生活を充分に楽しめるような空間となっている。
町並みの中で庭の緑や光と同時に街路と共にある暮らし方、この住宅で提案しているのは自然と町並みのある風景の中での生活である。
(岸和郎+K.ASSOCIATES/Architectsの担当として参加)