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錫象嵌のテーブル




錫象嵌のテーブル

date. Aug 2019
project No. 00121
category. Object Design Works, Other Works

時間を埋め込む装置としての錫

このプロジェクトは知人の建築家から「伝統工芸の技法や素材でテーブルを加飾できないか?」と相談を受けたことから始まった。住まいを新築した若い夫婦とそのお子様への贈り物としたい、とのことだった。住まいを新築するのは、家族にとって大きな転機である。記念になり思い出を育むものとしてはどうかと、経年変化や劣化ではなく使う中で表情が変化する素材を提案した。
錫はとても柔らかい金属である。劣化はないが手でも曲げられ、少しぶつけただけで凹むほどに柔らかい。それゆえに槌目などの表面加工も発展しているが、ともかく表面の光沢を保つよう丁寧に扱うことが求められる。しかしぶつけたり引っ掻いたりして物に付く傷は、その物の周りで起こったことの記憶でもある。子供がいる家庭の食台に錫を使うと、当然たくさんの傷が付くだろう。しかしそれらの傷もその家族で起こったこと記憶である。そのような時間を埋め込む素材として、錫という金属の性質を捉えられないか、と考えた。

錫板は横浜に工房を構える秦錫工房に依頼し、禾目・石目・槌目の3種類の槌で質感や光の反射が異なる表面を叩いて頂いた。栗の天板に一直線に彫った溝にそれらをランダムに配置して象嵌している。それぞれ模様は深さと形状が異なるため、槌目が薄くなる時期や傷の付き方も異なり、時間の経過とともにまた表情も変わるだろう。家族でちょっとした話題になれば嬉しく思う。

project title
錫象嵌のテーブル
date
Aug 2019
project No.
00121
design
乾 陽亮 + 長崎 和平(長崎工作室)
manufacturing
錫板制作:秦錫工房
photo
梅田 彩華

PROJECT INFO

#00121

錫象嵌のテーブル P.I.T.

date
Jun 2019
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