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WRITING 12 Dec 2012


websiteの形態について考えていたこと 1

ウェブサイトの形態について考え始めるとき、どうしても紙との差が気になります。共に2次元と呼ばれるグラフィックですが、形態の構造に確かな差があるように感じています。
紙は、基本的に白いシート状のものにインクが乗ることで形を描きますが、平面上という制限があるとはいえ、鉛筆で描くようにインクの形も物理的に自由に乗せることが出来ます。もちろんソフトで作り易い形というのはありますが、紙にインクを印刷するということ、そのものの中にはインクの形に制限は全くありません。
一方でウェブサイトでは、スクリーンに描かれる光の粒の集合とみると自由度は紙より高そうに思えるのですが、HTMLという言語を通じて描く必要がある以上、その規則に則らないとなりません。そのHTMLで作るという制約上で出てくる形の制限の根本に、どうしても最初に四角形の面を配置する必要がある、と言うことが挙げられます。基本的にtableやdivの時代でも四角形が基本で、HTMLの構造もそれに則って設計されています。強引に作れば丸や三角の形に文字を配置することもできますが、強引に作れば作るほど更新や編集の簡易性という問題に当たります。ウェブサイトの性質上、僕はそこは避けたいと考えています。特に僕は中小企業や個人をお手伝いさせて頂く機会が多く、費用回収の年月などの費用対効果を踏まえて数年しか耐えられない設計は可能な限り避けてきました。その実現の近道は、やはりHTMLに対して真摯に取り組むことが基本だと考えています。HTMLで作り易い形に注視することは、ウェブサイトの性質に真摯に取り組もうとする中で自ずと現れた主題である気がします。Flashなどは文字も自由に配置できるようですが、僕にとってのFlashはアニメーション・ソフトであり、HTMLにある意味で強引に差し込むものに見えましたから、とても億劫にも感じられて大きな興味は惹かれませんでした。

HTMLの設計思想そのものの中に、基本な形態として四角形がまず前提としてある。それはデザイナーにとってある意味で強い制限です。制限に対するデザイナーの姿勢として2つの方法が考えられます。一つは、その条件の中で作る形として出来ることを考えること、もう一つはその制限を無視したような自由な形態を(強引に)描くこと。僕は、後者の制限からの自由を獲得しようとして制限にがんじがらめになりながら取り組む行為のアンビバレンスなポジションを選択する気になれませんでした。先述した更新や編集の簡易性の問題もありますが、さらにはそこに取り組むだけの自由な造形に苦手意識を持ってもいるように思います。ので、前者を選択しています。制限があるならその中でできることを探そう、そこにも可能性はあるはずだ、と考えて四角形を基準としたデザインに取り組むことにしました。そうすると、自ずと面の配置、さらにその形態を操作しようとすると、面の構成/Compositionという、近代が獲得したデザイン手法に辿り着くように思ってます。逆に言うと、websiteは面の構成と言う手法が純粋な理念そのままに実現できそうな場所である、とも思っています。
また、もう一つ次元を落として、「HTMLでは水平垂直の線が引ける」と考えるとグリッド・プランニングも選択肢の一つになります。ただ僕はグリッド・プランニングはちょっと古めかしい手法のように感じもしていて、意図的に避けている気がしています。もちろん部分には使っていますが、全体にグリッドを敷く手法は形態的な展開の可能性が少ないように感じていて、今はそれほど魅力を感じていません。特にウィンドウの大きさが自由に変化する中で、グリッド・プランニングの主な目的の一つである単一性と多様性を何処まで担保できるのかということと、形態の独自性をサイトごとに構築できるのか、ということに疑問を持っています。ウィンドウの大きさが変化する中で、この2点に取り組むことが僕には辛そうに感じている節があります。

そんなことを感じながらwebsiteのデザインに取り組んでいたところ、たしかCSS2でpositonとz-indexが追加されたことは、websiteの形態の発展上、かなりセンセーショナルな展開だったと思います。面が前後に奥行きを持てるようになり、立体的で位置も自由に配置出来るようになった。これは近代の手法そのものです。もちろんそれまでも見かけ上は同じような形にできましたが、やはり強引な方法によるもので、HTMLの構造ではサポートされていませんでした。HTMLの構造として、立体的で自由な面の配置がベーシックにサポートされたことに興奮したのを今でもを覚えています。

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