乾陽亮設計事務所のデザイン NewsLetter #29

KATA

現代と伝統が統合するティーポット&ティーカップ

KATA

KATA

NISHIKAWA JAPANは、「あたらしい和のしつらえ」をテーマに、京都の西川貞三郎商店が新しく設立されたティーウェアブランドです。KATA(かた)は、そのブランドを体現するための初めの製品となるティーポット&ティーカップです。

ティーカップは、エッグシェルと呼ばれる光が透けるほど薄く軽い磁器です。美濃焼の産地にあった型から選び、釉薬と文様、透かしを指定しています。
ティーポットは、ティーカップとの取り合わせを考えて底の形状を同じ半球状にしています。伝統的な和酒器のひとつ燗瓶の形を参考にしながら幾何学的な比率とバランスに注意を払い、現代的な印象になるように形をつくりました。注ぎ口は、伝統的な急須で培われた液だれしにくい工夫を組み込むなど、伝統工芸のエッセンスを取り入れてデザインしています。
また、国内だけではなく海外にも通じるブランドとするため、ティーポットは大ぶりの容量で設定され、ステンレスの茶漉し、蓋は平置きできて茶葉の計量カップにするなど、西洋で求められる機能性も条件となり、それぞれを実現しています。


KATAシリーズは、カラーとパターンのバリエーションがあり、白色・翡翠色・桜色の3種と、七宝文様を繊細なレースのように施した2種の、計5種で展開しています。磁器本体は美濃焼の技術で製造されていますが、細工を施したステンレス製の把手は現代の精密金属加工技術で製造、新潟の燕三条で仕上げています。日本全国の伝統工芸や産業と、その組み合わせで実現したプロダクトです。

西洋からの要望も含めた現代のお茶の時間の演出を、日本の伝統の技術と知恵が実現する、そのようなインテグレーションが生まれ続け、国内外で認められるブランドに育っていくことを祈っています。


IMG: 燗瓶(かんびん)の形

燗瓶(かんびん)の形

下半分が丸く、上半分が反っている形は、燗瓶の伝統のかたちを参考にしている。
注ぎ口は燗瓶の注ぎ口の形を参考にしながら、伝統的な急須で培われた液だれしにくい工夫を取り入れ、キレを良くしている。


IMG: 盛り銅板

盛り銅板

七宝文様を施したシリーズは、マットでガラス光沢がない無釉の素地の上に、盛り銅板と呼ばれる技法で文様を描いている。レースのように細く繊細で、少し立体的に盛り上がった絵付けは、美濃焼の技法。


IMG: ステンレス・ハンドル

ステンレス・ハンドル

オリジナルの文様を入れたステンレス・ハンドルは現代技術で作られる。曲げ加工は金属加工技術に富む燕三条で施し、仕上げている。


IMG: 機能性

機能性

西洋で求められる容量800ml、ステンレス茶漉し、蓋が平置きできて茶葉の計量カップにもなる。
国内だけではなく海外でも通用する工夫は、NISHIKAWA JAPANの母体となる西川貞三郎商店が創業当初から培ってきた海外販売での経験によるもの。


IMG: エッグシェル

エッグシェル

エッグシェルと呼ばれる薄造り。光が透けるほど薄い。そこにはNISHIKAWA JAPANのロゴ「茶の花」の透かしが施されている。


NISHIKAWA JAPAN/KATAシリーズ DATA
KATA Teapot /¥30,800〜(税込)
Ø135 W200 H210 mm

KATA Teacup /¥8,800〜(税込)
cup:Ø96 W120 H45 mm
Saucer: Ø135 H15 mm

商品詳細はNISHIKAWA JAPAN ウェブサイトへ: https://www.nishikawa-japan.com/


Design: 乾 陽亮(乾陽亮設計事務所)
Photo: 梅田 彩華(梅田彩華写真事務所)


ご購入、仕入れなどのご相談は「株式会社西川貞三郎商店」まで。

販売:株式会社 西川貞三郎商店
〒605-0841 京都市東山区大和大路五条上ル山崎町377
TEL 075-541-5191
http://www.t-nishikawa.co.jp/


本メール内容についての問い合わせ先

乾陽亮設計事務所
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