乾陽亮設計事務所のデザイン NewsLetter #17

小型仏壇 赤備え & 黒備え

伝統的な仏壇の産地、彦根が作る新しい塗り仏壇

小型仏壇 赤備え & 黒備え

小型仏壇 赤備え & 黒備え

彦根は国指定の伝統的工芸品「彦根仏壇」を生み出す仏壇の代表的な産地のひとつです。伝統的な仏壇だけではなく、伝統技術が生み出す新しいスタイルの祈りを模索されています。「赤備え」と「黒備え」はその提案の中で生まれた、現代に似合う新しいスタイルの小型仏壇です。
「赤い塗りの仏壇をつくること」「鎧の造形を一部取り入れること」は産地側から求められた条件でした。彦根仏壇は甲冑製造の技術を起源とし、彦根藩主井伊家の甲冑は赤備えであることが伝統です。紐で吊り下げる縅(おどし)のモチーフとして簾(すだれ)を選択したり、ヒバに鎧板張り風の仕上げを施しているのはそのためです。

「赤備え」と「黒備え」はヒバで組んだ膳引を、塗りのコ字型で覆った小型仏壇です。そこに仏壇設備として、簾の扉と背板、LED照明を組み込みました。吊り下げ式の扉は閉扉はもちろん、全開と半開の3段階に調整でき、全開時は跳ね上げて仏壇上部に収納します。背板は、埋込みLEDの光をその質感で受けるよう、麻を抄き込んだ金和紙を選択しました。
高価な塗り部分を限定しつつ、ヒバ、簾、和紙の各部位を切り分けて素材の構成で効率的に組み上げること、いわば分節と構成によって場を構築しています。この手法は今様のインテリアに見合う親和性も高く、現代の国産仏壇のデザインには有効な手法であるように思っています。


IMG: 簾を閉じる

簾を閉じる

扉を閉じた状態でLED照明をつけると、簾を通じて内部の様子がぼんやりと浮き上がります。


IMG: 簾を半分開ける

簾を半分開ける

扉を半分閉じた状態では、内部の様子を伺えます。


IMG: 簾を開ける

簾を開ける

引き出した簾は仏壇上部に収納でき、シンプルな塗りの四角い仏壇になります。膳引を引き出して、線香や蝋燭を焚くことができます。


IMG: 朱塗りの「赤備え」

朱塗りの「赤備え」

華やかな朱塗りの「赤備え」。黒塗りと違った趣きです。
膳引の全面は縅(おどし)と呼ばれる鎧板張り風の彫刻を施し、軽やかな雰囲気に。


小型仏壇 『赤備え』&『黒備え』 DATA
Material: ヒバ、合板(カシュー塗り)、金和紙(麻抄き込み和紙)、簾、LED照明
Size: W310 × H315 × D287mm
Design: 乾 陽亮
Photo: 大野 博(大野博写真事務所)
 
「黒備え」参考URL:http://www.inuiyosuke.jp/ja/works/id/191/1/
「赤備え」参考URL:http://www.inuiyosuke.jp/ja/works/id/170/1/
 
販売価格:¥290,000(税別)※仏具などは別売
 
ご購入など商品に関する相談は「ナナプラス」まで。
 
販売:ナナプラス事務局(吉田松蔵商店内)
〒522-0085 彦根市新町39
TEL.0749-23-8322
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Email 
URL http://www.nanaplus.jp/


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